- 細菌やウイルスに対する防衛・安全志向、清潔志向への高まり
近年、鳥インフルエンザや院内感染、食中毒など、細菌やウイルスに起因する感染症リスクの高まりに加え、エボラ出血熱やMERSなど新興感染症への警戒も必要となっています。また、温暖化や建築物の高気密化により、細菌の増殖やカビの発生を助長する生活環境に変わりつつあることなどから、細菌やウイルスに対する防衛・安全志向、清潔志向は一層高まることが予想されます。
当社は、「クリーン、ヘルス、セーフティ」で社会に貢献することを理念とし、クリーンルーム機器や医療機器、防じん・防毒マスクなどの製造販売を行っておりますが、この抗菌剤事業は、「ヘルス」分野への事業展開を行っていくことで、より一層の社会貢献を果たすと共に、業容の発展・拡大を目指すものです。
- 抗菌剤「イマディーズ®」の概要
元来「銅」は、人体に欠かせない微量元素であると共に、厚生労働省から栄養機能食品表示ができる栄養成分に指定されるなど、人体に優しい物質です。また、古くから台所の水回り製品に銅材料が用いられるなど、生活の中でその抗菌力が応用されてきました。一方で、緑青が猛毒であると信じられてきたことや、元素単体での抗菌力が「銀」に比べ劣ることなどから、抗菌材料としては、ほとんど採用されてきませんでした。
しかし昨今では、2008年に米国環境保護庁(EPA)により、「銅は人体に有害な致死性のある病原体を殺菌し、公衆衛生に効果がある」という表示許可が出ております。
また、厚生労働省の動物実験により緑青は無害であることも判明しており、「銅」は、より安全性の高い抗菌材料として注目を浴びつつあります。
当社は、この抗菌材料「銅」に「乳酸」を加えて重合反応させることで得られるポリ乳酸銅塩とポリ乳酸との混合物に、優れた抗菌作用があることを発見し、抗菌剤の開発を行いました。
この乳酸銅塩系抗菌剤「イマディーズ®」(特許公開2010-150239)は、高い抗菌作用、防カビ性、抗ウイルス性を合わせ持ちながら、人や環境には優しい抗菌剤です。
- 今後の事業展開
世の中には数多くの抗菌剤や抗菌加工製品が存在しておりますが、当社はこうした抗菌市場に対し、「イマディーズ®」の特長を生かせる分野を模索しながら、事業展開を図って参ります。
- 既存製品の高付加価値化
・抗菌性能を付加したマスクや保護衣など、感染対策やパンデミック対策製品への応用 - ヘルス分野での自社製品開発、販売
・医療機器やその他抗菌製品の開発、販売 - 抗菌剤としての素材提供
・外販及び提携、ライセンシング等による供給