N95マスクについて
N95マスクとは
N95マスクは、米国の労働安全衛生研究所(NIOSH:National Institute for Occupational Safety
and Health)が評価し認定した、連邦行政規則集(42 CFR part84)の「N95」の性能基準を満たす微粒子用防じんマスクです。
日本環境感染学会が発表している「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第3版」では、感染対策の個人用防護具として『一時的に大量のエアロゾルが発生しやすい状況※においては、サージカルマスクの代わりにN95マスク(またはN95と同等のフィルタ性能を有するマスク)あるいは電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)を追加します』とあり、N95マスクは、新型コロナウイルス感染症の最前線に立つ医療従事者の感染予防のために使用されています。
※エアロゾルが発生しやすい状況:気管挿管・抜管、気道吸引、NPPV装着、気管切開術、心肺蘇生、用手換気、気管支鏡検査、ネブライザー療法、誘発採痰など
米国の防じんマスク規格における性能区分
米国の防じんマスク規格には、耐油性及び防油性の区分及び捕集性能によって表1に示す9つの性能区分があります。
「N95」の「N」はNot resistant to oil(耐油性がない)で、「95」は試験粒子であるNaCl粒子が95%以上捕集されることを意味します。
表1 米国の防じんマスク規格における性能区分(42 CFR part84より)
米国の防じんマスク規格では、粒子捕集効率試験の他に、吸気抵抗、排気抵抗及び排気弁の作動気密の性能試験が行われます。
日本の防じんマスクの型式検定規格
厚生労働省が定める日本の防じんマスクの型式検定規格において、粒子捕集効率の性能では表2に示す12の区分があります。
この区分の中で「DS2」が「N95」に相当します。「DS2」の「D」はDisposable(使い捨て式)、「S」はSolid(固体粒子)、「2」はNaCl粒子が95%以上捕集されることを意味します。
表2 日本の防じんマスクの型式検定規格:粒子捕集効率(厚生労働省)
日本の防じんマスクの型式検定では、性能に関して、粒子捕集効率試験の他に、吸気抵抗、排気抵抗、排気弁の作動機密及び二酸化炭素上昇値の試験があり、それぞれの条件が定められています。
N95マスク/DS2マスクの表示
N95マスク及びDS2マスクには、型式検定に合格していることを示す表示が義務付けられており、表示を確認することで型式検定合格品であるか確認できます。
興研のN95マスク/DS2マスク
医療現場では、興研製N95マスク/DS2マスク“サカヰ式 ハイラック 350型”の使用をお勧めしています。