フィットテストの実施


化学物質のばく露対策としてマスクを使用する場合にはフィットテストが必要です。
マスクがフィットしていないと、マスクに期待される防護性能が得られません。
着用者の顔にフィットするマスクを選択、使用するために
1年以内ごとに1回フィットテストを行いましょう。

フィットテストとは


フィットテストは、使用するマスクの面体が“作業者の顔にフィットしているかどうか”を評価するテストです。フィットテストにより、作業者の顔にフィットする面体・サイズを決定することができます。またマスクの不適切な装着状態を発見して、是正することができます。
フィットテストに合格すれば、そのマスクは顔にフィットしていると判断でき作業で使用することができます。

フィットテストが法令で義務付けられる作業

・2023年4月1日施行(特定化学物質障害予防規則に基づく)
 金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場


・2024年4月1日施行(特定化学物質障害予防規則、有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、粉じん障害防止規則に基づく)
 作業環境測定評価で第三管理区分に区分された場所


◎「化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針」、「防じんマスク、防毒マスク及び電動
 ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」では、リスクアセスメント結果に基づくリスク低減措置としてマスクを使
 用する場合についても、フィットテストによるマスクの装着の確認を行うことと示しています。

◎フィットテストの対象は面体形のマスクを使用する場合に限ります。 フィットテストは、1年に1回定期に実施します。

フィットテストの種類と方法


フィットテストには、「定量的フィットテスト」と「定性的フィットテスト」があります。

●定量的フィットテスト

マスク接顔部からの漏れを測定する計測装置を用いてフィットが十分であるかどうかを評価する方法です。
全面形のマスクおよび半面形のマスクに対してテスト可能です。


<テスト方法>
フィットファクタの測定ができる計測装置と接続した測定用マスク※を装着して、 JIS T 8150:2021で規定された7つの動作を行いながら計測します(標準の定量的フィットテスト)。
動作と動作時間を省略した「短縮定量的フィットテスト」で行うことも可能です。
※作業で使用している(または使用予定の)マスクを測定用マスクとして使用する場合には、マスク専用のサンプリングアダプターが必要です。
サンプリングアダプターの詳細はこちら


<判定方法>
合  格:フィットテストの結果得られた「フィットファクタ」が「要求フィットファクタ」を 上回れば、フィット良好
     と判断できフィットテスト合格です。


不合格:要求フィットファクタを上回らない場合、フィットテスト不合格です。マスクを装着し直す、測定方法が適切で
     あったかなど様々な角度から原因を検討して改善を行い、再度フィットテストを行います。改善してもフィット
     テスト不合格の場合は、別のマスクを選択することも検討しましょう。

 
会員サイト「興研CHSCLUB」では、
フィットテストで不合格となりマスク再選定をご検討の方のために「マスク再選定相談窓口」を開設しています!お客様の必要条件に合わせて、“顔にフィットするマスク”をご提案いたします。
お気軽にご相談ください。
同サイトでは、定量的フィットテストでよくある不合格事例と要因の改善方法もご紹介しています!

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●定性的フィットテスト

試験物質を検知する被験者の感覚反応によりフィットが妥当であるかどうかを評価する方法です。
半面形のマスクに対してテスト可能です。


<テスト方法>
噴霧器やフード、溶液を含むテストキットを用いて、被験者が作業で使用している(または使用予定の)マスクを装着して、JIS T 8150:2021で規定された7つの動作を行います。
溶液の甘味などを検知できるかについては個人差があるので、あらかじめテスト前に味覚の確認(味覚のいき値スクリーニング)が必要になります。


<判定方法>
合  格:フィットテストを終えて甘味等を感じなければ「フィットファクタ100以上」とみなし半面形マスクの要求
     フィットファクタ100を上回ると判断できます。フィット良好と判断できフィットテスト合格です。

不合格:フィットテスト中に甘味等を感じた場合は、フィットテスト不合格です。マスクを装着し直す、テスト方法が
     適切であったかなど様々な角度から原因を検討して改善を行い、再度フィットテストを行います。それでも
     フィットテスト不合格の場合は、別のマスクに選択することも検討しましょう。


結果の記録

フィットテストを受けた者の氏名、確認の日時、装着の良否などJIS T 8150:2021に規定される項目を記録します。法令等で規定されている場合には、規定の期間保存します。


初めてフィットテストを行う実施者の方も安心!
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3つのフィットテストの一連の流れを動画で確認することができます。

1.MT-05U型を使用した標準の定量的フィットテスト  
2.AccuFIT9000 PRO・MT-11Dを使用した短縮定量的フィットテスト
3.FIT-Ⅱ型を使用した定性的フィットテスト       

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