事業者による化学物質の自律的管理に向けた省令等改正により、マスクの選択方法が大きく変わります。
化学物質ばく露対策のマスクを選択する場合は、有害物質の種類と作業者のばく露濃度に応じて“適切な防護性能を持つマスク”を選ぶ必要があります。
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◎労働安全衛生法に関する法令によって、使用するマスクの種類またはマスク選択の手順が規定されている場合は、その法令に従います。
例:石綿除去作業、ダイオキシン類取扱い作業など
1.要求防護係数を算定する
STEP1で把握した ③ 有害物質のばく露限界濃度と ④ 有害物質のばく露濃度を用いて「要求防護係数」を算定します。
※1 要求防護係数:有害物質の環境濃度がばく露限界濃度に対して何倍か
◆ POINT ◆
・有害物質のばく露限界濃度(Co)が法令で規定されているのは一部の物質です。
濃度基準値設定物質:67物質 ▼(濃度基準告示)
管理濃度設定物質:97物質 ▼(作業環境評価基準
別表) (2023年8月末現在)
・設定されていない場合には、日本産業衛生学会の許容濃度や米国ACGIHのTLV、STEL等を参考にし、専門家に相談します。
2.マスクに必要な指定防護係数を決定し、
有害物質に対して有効なマスクの種類を選びます
算定した要求防護係数を上回る「指定防護係数※2」のマスクを選択します。
この際にSTEP1の② 有害物質の種類 で確認した有害物質の性状を考慮して有効なマスクの種類を選びましょう。
※2 指定防護係数:訓練された着用者がマスクを正しく着用した場合に少なくとも得られるであろうと期待される防護係数
◆ POINT ◆
〈粉じん作業〉要求防護係数20の作業のマスク候補は・・・
粉じん対策用マスクから「要求防護係数20」を上回る「指定防護係数」のマスクを候補に
STEP2で決定したマスクの中から、着用者・作業内容・作業強度・環境等に適した
製品を選定します。
例えば・・・
・着用者が矯正用めがねを使用している→全面形マスク専用メガネの併用を検討
・作業時にコミュニケーション・指示が必要 → 伝声器のついたマスクを選ぶ
・長時間の作業で使用する→負担を軽減に役立つ電動ファンを選ぶ など
作業内容や着用者にあわせて選べるバリエーションを揃えています。
マスク選びでお困りの際は、最寄りの営業所までご相談ください。