- 有毒ガスと防毒マスク
化学薬品の種類は何万種類もあり、その多くは高濃度のガスを吸入することによる急性中毒や、低濃度のガスを長期にわたり吸入することで健康障害を受ける可能性があります。また、わずかな量でも著しく有害なものや、気付かないうちに除々に体をむしばむものなどその害も様々です。
有毒ガスを防ぐための防毒マスクは、ガスの濃度や種類に応じた吸収缶を使用しないと全く効果がありません。また除毒方法もそれぞれの吸収缶によって異なります。
- 防毒マスクを使用する際の濃度上限
防毒マスクを使用する際には作業環境中の「酸素濃度が18%以上」で、「常温」、「常湿」、「常圧」の環境であること、発生する有毒ガスの濃度が以下の範囲である場合に限ります。
防毒マスクの選択方法(国家検定規格による)
上限については、国家検定規格では上記のように吸収缶の種類によって定められているほか、JIS 規格(JIS T 8150 呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法)や日本呼吸用保護具工業会の指針では面体の種類によって基準が設けられています
- 防毒マスク用吸収缶の種類
防毒マスク吸収缶には、適応ガス毎に以下の種類の吸収缶があります。
適応ガス | ハロゲン ガス |
酸性ガス | 有機ガス | アンモニア | 亜硫酸 ガス |
シアン化 水素 (青酸ガス) |
硫化水素 | エチレン オキシド |
ホルム アルデヒド |
|
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記号 | A | B | C | H | S | J | K | - | - | |
試験ガス | 塩素 | 塩化水素 | シクロ ヘキサン |
アンモニア | 亜硫酸 ガス |
シアン化 水素 |
硫化水素 | エチレン オキシド |
ホルム アルデヒド シクロヘキサン |
|
試験濃度 | 直結式 | 0.3% (3000ppm) |
0.3% (3000ppm) |
0.3% (3000ppm) |
1.0% (10000ppm) |
0.3% (3000ppm) |
0.3% (3000ppm) |
0.3% (3000ppm) |
- | - |
直結式小型 | 0.02% (200ppm) |
0.03% (300ppm) |
0.03% (300ppm) |
0.1% (1000ppm) |
0.03% (300ppm) |
- | 0.02% (200ppm) |
0.003% (30ppm) |
0.002%(20ppm) 0.03%(300ppm) |
|
最大許容透過 限度(濃度) |
1ppm | 5ppm | 5ppm | 50ppm | 5ppm | 5ppm | 10ppm | 1ppm | 0.1ppm 5ppm |
- 興研の高性能防毒マスク
防毒マスクは「マスクや吸収缶を正しく選択すること」に加え「マスクを顔にしっかり密着させて装着すること」が重要です。マスクが顔に密着せず、接顔部にすき間があれば、そこから有毒ガスが漏れ込むおそれがあり、それではマスクを装着する意味がありません。
興研のマスクには顔にしっかり密着させるための様々な技術が取り入れられています。
顔へのフィットを向上させる面体技術
シリコーン面体 | シリコーンは肌に刺激が少なく、肌荒れしにくい素材です。表情の動きにもしなやかに追随し、安定して装着できます。物性としても安定しています。 | |
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フリーポジション アンダーチン |
密着性を追求した特殊な接顔形状。 漏れ込みが起こりやすい鼻の付け根に合わせてからアゴ部を装着することにより、1つの面体でいろいろな大きさの顔にもよくフィットさせることができます。 | |
HAWCリップ | 装着時にしっかりと顔に吸い付くような「吸盤効果」が得られる設計で、高い密着性を実現します。 | |
しめひも | 頭の形状に合わせた3次元立体形状ポリバンドのしめひも採用。 すっぽりと頭に納まり、フィット感、密着性を向上させます。 |
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フィットチェッカー 内蔵 |
フィットチェッカーが内蔵されているマスクは、いつでも密着性の確認ができます。 |
気密性にこだわった構造
ボンネット 二重構造 |
ボンネット二重構造により、ボンネット内に格納した排気弁は、風などの外的要因に影響を受けません。 そしてボンネット内に滞留した呼気が、バリアーのように常時外気に干渉し、排気弁を守りますので排気弁の優れた作動気密性を実用状態において高めます。 ボンネット面体は、従来アゴ部にあった排気弁を、マスク上部に取付ける設計ですので、下方視野に優れ作業性もアップします。 |
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